2014年8月1日に加茂花菖蒲園の施設名を加茂荘花鳥園と変えており、花菖蒲の咲く季節だけでなく年間を通して園内の鳥類など動植物を観察できるようになったとのことです。
この掛川には、東名の掛川ICの近くに同じグループの掛川花鳥園があり、随分昔に訪問したことがありますが、こちらは花はスイレンぐらいで鳥がメインという印象で、こうした施設の運営は咲く時期の限られる花だけでは難しいのでしょう。
加茂荘花鳥園へは、名古屋方面からは新東名の森掛川ICで降り左折して、県道40号線を森掛川市街方面へ向かい、原野谷川の橋を渡ると加茂荘の看板が左手に見えるので、看板のある交差点を左折して1.5kmで加茂荘の駐車場に着きます。
園内に入ると上の写真のように、入口近くの花ショウブの植栽の所々に鳥箱がいくつかあり、ここは花鳥園だと気が付きます。
放たれてる鳥もいて、上の写真のように人目に着くところで泳いでいる時もあります。
上の写真の右側の建物は鳥小屋で、空には釣り糸のような透明の糸が張ってあるのも花鳥園の造りです。
園内中央から奥の方の上の写真の辺りは、最近トレンドの種間交配種(花菖蒲とキショウブとの雑種)が多く、中でも花びらの中央の黄色の目の周りがアイシャドウを引いたように見えるアイシャドウアイリス系の品種が100品種ほどあるとのことです。
なおアイシャドウアイリス系の品種は、この花鳥園で作出したここだけのものが多く、詳しくは加茂荘花鳥園の「花菖蒲データベース系統別」の種間交配種を参考にしてください。また、当サイトの「花ショウブ - 花の人気品種の紹介」ページでも他の花菖蒲園の品種も含めて一部紹介しています。
特に珍しいアイシャドウアイリス系の種間交配種で最も気に入っている品種は、上の写真の赤熊です。
赤熊は花びらの目の周りが赤いアイシャドウを引いたように見えることが特徴ですが、上の写真のように花びらの輝やく色が、陽の当たり方によって変わって見えることが魅力です。
上の写真の種間交配種の品種は、花の楽園です。
花の楽園も上の写真のように、花によって色合いが変わって見えます。
上の写真の種間交配種は、花の楽園と似ていますが別の品種でしょう。
上の写真の種間交配種も、品が良い色合いで好みですが名前は不明です。
他にも上の写真のようなイエロー系の種間交配種を見かけましたが、写真の右の猿田彦のほかは名前が不明です。ここで作出した品種は名札がなければ分からないし、そもそも品種として残すものしか名前を付けてないようです。
園内の奥の方には、上の写真のようにブルー系の種間交配種の品種がたくさんあります。
ブルー系の種間交配種の品種で、花が多く咲いていて最も目に付いたのは、上の写真の碧玉龍です。
碧玉龍は、上の写真のように蛍光ペンで塗ったように眩しいぐらいに花びらが明るく輝いています。
他にもブルー系の種間交配種の品種は、上の写真のように多く、うち月夜野や新世の輝は他の花菖蒲園でも時々見かけるので判りそうですが、他の品種は名前がわからないものが多く、また写真で見ても区別するのは困難です。
他の花菖蒲園で見かけることが多い人気があるホワイト系の種間交配種の品種は、上の写真のように園内中央に少しあります。
上の写真の白い品種は、似た品種が多く名札が確認できなかったので特定できません。
上の写真の品種は、クリーム色の花びらで黄色の目が大きく、アイシャドウが少し薄いので、おそらく花月夜でしょう。
園中央部から奥の方を眺めると、上の写真のとおり種間交配種の多い奥の方のエリアの花の密集度が高いことがよくわかります。
上の写真は、園内のやや奥から入口方向を広く撮っていますが、上の写真のように園内の中央部では、花ショウブが植えられてない所も目に付きます。
他の花菖蒲園でも同じですが、花ショウブは連作障害があり植え替えのため休ませる所が必要で、目一杯植えることは無理でしょう。
加茂荘花鳥園は、1500品種100万本の花ショウブが咲く全国でも有数の規模で、特にアイシャドウアイリス系の種間交配種のここにしかない珍しい多くの品種が見られます。ゆえに少し入場料は高くても、その価値はあるので定期的に訪問したいところです。
他の花ショウブの名所については、この「四季の花巡りガイド」の「花の名所ガイド中部」の「花ショウブの名所リスト」から名所を選んで御覧ください。
また花ショウブの品種について詳しくは「花の人気品種の紹介」コーナーを、花ショウブなど春に咲く草花の撮り方については、「花の撮影テクニック」コーナーを、直近に咲いている花の状況は、当サイトのブログである「季節のフォト花便り」を参照してください。