浜松フラワーパークは、桜、チューリップ、バラなども見応えのある名所ですが、花菖蒲園も上の写真のようにエリアが広く、江戸系、伊勢系、肥後系の主な品種も揃いボリュームもあります。
花ショウブの花が咲く時期は、必ずしも水に浸かっていなくても良いようですが、上の写真の浜松フラワーパークのように、木造の遊歩道が敷かれていると花を見やすく風情があります。
上の写真は、左が浜松フラワーパークで撮った江戸系の品種「深窓佳人」で、右は曽根城公園で撮った伊勢系の「津の花」です。こうした淡い色で透明感のある花ショウブが基本的には好みで、また水辺の花ショウブは極上の構図です。
上の写真の黄色の花ショウブは、左が岡崎東公園で撮った品種「愛知の輝」で、右は亀山公園で撮った「金星」です。
この黄色の花ショウブは種間交配種(花菖蒲とキショウブとの雑種)で、最もポピュラーな「愛知の輝」はほとんどの菖蒲園にありますが、「金星」も岡崎東公園や豊橋賀茂菖蒲園に植えられており、他にも「金冠」、「浜名湖の光」、「白鷺の星」、「貴公子」を見たことがあります。
上の写真は、奈良県の滝谷花しょうぶ園で撮影したもので、手前の黄色の花ショウブは「白鷺の星」です。この菖蒲園にも「愛知の輝」がありますが、これらの黄色の花ショウブは名札がなければ区別は困難です。
滝谷花しょうぶ園も広大な施設で、訪問した時は特にピンクの花ショウブが目に付きました。上の写真の品種は、左が「虹の輝」、真ん中が「里桜」、右が「桃児童」ですが、他に「雛桜」、「桃祭」、「聖火」、「寒紅梅」、「花の雨」、「夢吹雪」、「翠映」、「獅子王」、「美女桜」、「野辺の桜」など薄いピンクの品種が数多く揃っています。
上の写真は、滋賀県の道の駅しんあさひ風車村に隣接する新旭花菖蒲園で、平成28年度、29年度に道の駅と一緒にリニューアル中ですが、広い敷地に花の種類も本数も多かったので、再開後の平成30年度にはまた訪問したいところです。
新旭花菖蒲園は珍しい品種も多く、上の写真のように綺麗な種間交配種も、掛川の加茂荘花鳥園(加茂花菖蒲園)に次いで多く見られました。
加茂荘花鳥園も上の写真のように大規模な施設で、1500品種の花ショウブを栽培しているとのことで、新しい珍しい品種も数多く見かけます。その中でも、下の写真の「赤熊」の鮮やかな光り輝きが最も気に入りました。
この「赤熊」は、アイシャドウアイリス系の種間交配種の一つで、「アイシャドウアイリス」という呼び名は、花菖蒲とキショウブの交配種に熱心に取り組んだ神奈川県の育種家の方が提唱したもので、花びらの基の黄色の目の周りがアイシャドウを引いたように見えることが特徴と見た目どおりで分かり易い呼び名でしょう。
そしてアイシャドウアイリス系の交配種は、次々と新しい色やパターンの花が出現しており、加茂荘花鳥園では、100品種ほどあってもどこが違うかわからないようなものまであり、優良なもののみを残す方向で考えているとのことです。
上の写真は加茂荘花鳥園にあった暖色のピンクの種間交配種で、名前が確認できなかったものもありますが、上の写真の真ん中は「花の楽園」、右は「赤熊」です。
上の写真はいずれも加茂荘花鳥園にあった赤っぽい黄色の種間交配種で、写真の左は「猿田彦」です。
上の写真は輝く黄色の種間交配種で、左と真ん中は加茂荘花鳥園にあった花で、右は滝谷花しょうぶ園にあった黄色が濃い「金鯱城」です。
水色の種間交配種はアチコチで見ていますが、上の写真はいずれも加茂荘花鳥園にあった花で、左は輝度が高い「碧玉龍」、真ん中は色が濃い「紫雲竜」、右はおそらく「月夜野」です。
上の写真の左は豊橋市賀茂花菖蒲園にあった「月夜野」で、加茂荘花鳥園の「月夜野」とは光のあたり方や背景の違いで別の品種のように見えますが、比較的見かける品種です。また明るい水色の種間交配種は、加茂荘花鳥園には上の写真の真ん中と右の品種など他にもたくさんあって、見た目での特定は困難でしょう。
白色系の種間交配種は所々で目にしますが、上の写真の左と真ん中は加茂荘花鳥園で、右は曽根城公園で撮った種間交配種です。品種は真ん中と右は少しクリーム色なのでおそらく「花月夜」で、左は「小夜の月」か「白山吹」か、どちらかでしょうが特定できません。
少し濃い色の種間交配種としては、上の写真の左の岡崎東公園で撮った「新世の輝」が、普及していて多くの菖蒲園で見られます。この真ん中は加茂荘花鳥園にあった「春の海」で、「新世の輝」と似ていますが江戸系で、右は浜松フラワーパークにあった名前不明の珍しい花です。
上の写真は奈良の柳生花菖蒲園で、少し見頃には早くて、あまり花が咲いてませんがロケーションは抜群です。
柳生花菖蒲園で最も気に入った花ショウブが上の写真ですが、ネームプレートも含めた写真が撮れてなくて名前が判らず残念です。この白地に品の良いブルーの色の混じり方が珍しくて魅せられます。
遠州の小国神社の脇にある一宮花しょうぶ園は、上の写真のように広いエリアに花ショウブが種類を問わず混栽で植えられています。品種名の確認は名札があっても隣の花と間違えそうですが、品種別に分けられているより混栽の方が自然な感じはします。
一宮花しょうぶ園で撮った上の写真は、左がおそらく「翠映」、右が「猿踊」か「猿面冠者」でしょう。この「猿踊」と「猿面冠者」はアチコチで見かけますが、いずれも江戸系で同じ花の呼び方が違うだけでなのか別の品種なのか?いずれにしても名札がなければどちらか区別はつかないでしょう。
花ショウブは種類が多いので、特に綺麗で気に入った品種や稀な珍しい品種ぐらいは名前を覚えたいと思っていますが、やはり名前の表示を写真で撮っておかないと判らなくなりそうです。今後は名前が確認できる気に入った品種が撮れたら更新していく予定です。
それぞれの花ショウブの名所について詳しくは、この「四季の花巡りガイド」の「花の名所ガイド中部」の「花ショウブの名所リスト」から名所を選んで御覧ください。
なお、当サイトのブログである「季節のフォト花便り」も、2017年4月1日に公開スタートしましたので時々再訪いただければ幸いです。