信州伊那の高遠城址公園に咲くタカトオコヒガンザクラと命名された高遠の桜は、小ぶりで少し濃いピンクの色の可憐な花が咲くことで人気があります。また中部地方の平野部の桜より少し遅い時期に咲くので行き易いこともあって、高遠さくら祭りには大勢の人が訪れて賑わいます。
高遠へは、名古屋方面からは中央道の駒ヶ根ICで降りて東に向って、左折して国道153号線に入った後は、どこから東に入るかによって複数のルートがあります。なお、中央道で伊那ICまで行くと距離が10kmほど遠回りになり、7~8分の時短になっても市街地が混めば到着時間は変りません。
国道153号線からは、宮田村民会館を右折し県道488号線から県道209号線に入るルート、春近大橋西を右折し県道209号線に入るルート、伊那市街地まで北上し市役所入口の信号から右折して入るルートと主に3通りのルートがありますが、どのルートでも距離も到着時間もほぼ同じです。
問題は高遠の町に入ってどこの駐車場に止められるかで、2015年4月16日の訪問時は河川敷の臨時の無料大駐車場、2016年4月8日の訪問時は山を上がって北ゲート付近の有料駐車場に止めています。なお河川敷など麓の臨時駐車場に止めても、上の写真の左端の遊歩道を登っていけます。
さくら祭りシーズンの交通規制や臨時駐車場は毎年変わることもあり、その都度確認していただくとして、高遠城址公園へのメインの入口は上の右の写真の看板のある北ゲートとなり、上の左の写真は入口横の高遠閣で、人が並んでいて屋根だけ写しましたが、ここで入園料を支払って入ります。
桜の開花状況は、上の写真が2016年の4月8日に撮って満開と、2015年より一週間早く来ても開花は進んでいますが、この2016年は例年より梅も桜も早かったので想定内のことでした。
高遠城址公園は、花見客が多くて写真が撮り辛いのですが、特に二の丸周辺には売店が並び、人があふれて花見の桟敷席という様相です。
上の写真は、二の丸と本丸を結ぶ桜雲橋と問屋門を撮っていますが、ここも人気スポットで人が写り込んでいない写真を撮るのは極めて困難です。何枚も角度を変えて撮って、ようやく撮った一枚を部分的にトリミングしましたが、名前が桜雲橋なので橋が桜で隠れていても止むを得ないところでしょう。
本丸跡の庭園は、桜の木の下にシートを敷いて花見で一杯ができないように、上の写真のように柵がしてあるので少しは写真も撮れ、撮った写真は後日ここを思い出したときの印象に近いものです。
本丸跡の端にある上の写真の太鼓櫓は、なんとなく新しさを感じるので趣がどうかなと思いますが、ここも人気のようです。
本丸跡や南曲輪からは、遠くに中央アルプスが見えるので、上の写真のように本丸跡から中央アルプスを遠景に入れて咲き誇る桜が撮れます。
2015年にタカトオコヒガンザクラを見たときは、上の写真のようなイメージを持っていました。しかし、2016年に再訪してアップで色々撮って見てみると、日の当たり方や写真の写し方による相違だけでなく、なんとなく花が違うような感じがする固体があり、結局どういう花なんだろうと思うことがあります。
上の写真はバックの背景が映り込んでいるため、色相は随分違うように見えますが、いずれにしても高遠桜の透明感はこんな印象でした。
ところが上の写真は、花びらが厚いのか透き通っていない乳白色に見えます。
また上の写真は、薄くピンクが入っていますが、やはり透明感が低いように見えます、
さらに上の写真は、コヒガンザクラではなくシダレザクラのように見えます。
そして最終的には、上の写真が最も現地で見た高遠の桜のイメージに近いと感じていますが、結局タカトオコヒガンザクラであれば個体の差は少なく、写真の写し方の違いが大きいのかと思っています。ただし高遠城址公園に、別の品種の桜が全くないとすると不自然だと思われます。
二の丸内は写し難くても、二の丸から本丸の方を写すと、上の写真のように満開の桜が綺麗に撮れます。
高遠城址公園には、2年続けて訪れたのでしばらくはいいかなと思っていますが、城址の高低差のある地形により、上の写真のような個性的な写真が撮れることが魅力であり、まだ訪問したことがない方にはお勧めです。
他の桜の名所については、この「四季の花巡りガイド」の「花の名所ガイド中部」の「桜の名所リスト」から名所を選んで、桜の品種について詳しくは「花の人気品種の紹介」コーナーから桜を選んで、また桜など春に咲く樹木の写真の撮り方については、「花の撮影テクニック」から御覧ください。